産業廃棄物の「鉱さい」の現状課題をリサイクルにより解決!
鉱さい(こうさい)とは、鉄、ニッケル、クロムなどの金属を精錬する際に発生する副産物や不純物の総称です。
一般的に「スラグ(slag)」とも呼ばれ、高温の炉や電気炉で金属を精製する際に生成されます。
具体的には、金属鉱石を精錬する過程で、目的の金属成分とともに不純物が分離され、その不純物が凝固してできるものが鉱さいです。
鉱さいは炉かすの一種であるため、産業廃棄物に分類されています。
この記事でわかること

鉱さいとは?その基礎知識
鉱さいの発生源と種類
鉱さいは主に鉄鋼業や非鉄金属の精錬工程で発生します。
その種類には、鉄鋼スラグと非鉄金属スラグがあります。
鉄鋼スラグ
鉄鋼スラグは「高炉スラグ」と「製鋼スラグ」の2つに分類されます。
高炉スラグは鉄鉱石を溶解して鉄を取り出す際に発生し、製鋼スラグは鋼を製造する際に生じる残余物です。
非鉄金属スラグ
非鉄金属スラグにはフェロニッケルスラグや銅スラグなどが含まれます。
鉱さいは、金属成分が効率的に抽出される過程で生成されるため、その性質は製造工程や使用される原材料によって異なります。
主に産業活動に起因して発生するため、その適切な処理や再利用が求められています。
産業廃棄物としての位置づけ
鉱さいは産業廃棄物として分類され、適切な処理が法律で義務付けられています。
国内における鉱さいの排出量は、令和2年度では1,077.8万トンに及び、産業廃棄物全体の2.9%を占めています。
この量の多さからわかるように、鉱さいは産業活動において重要な課題となっています。
有害物質を含む鉱さいの課題
鉱さいが抱える大きな課題の一つは、有害物質を含んでいる可能性がある点です。
例えば、六価クロム、鉛、砒素、カドミウムなどが含まれる場合があります。
このような有害物質は、適切に対処しなければ環境や人体に悪影響を及ぼす恐れがあります。

鉱さいの不法投棄
産業廃棄物である鉱さいが適切に管理されず、不適切な場所や方法で廃棄されたことが多発し、鉄鋼業や非鉄金属製造業などの排出業種から発生した鉱さいが正規の処分施設ではなく、山間部や河川周辺、農地などに違法に投棄されました。
不法投棄による環境への影響
不法投棄された鉱さいには、有害物質を含むものがあり、これらが土壌や地下水を汚染した事例も報告されています。
特に、不適切な場所に捨てられた鉱さいは雨水と反応し、有害物質が周囲に流出してしまう恐れがあります。
これにより、周辺地域の住民の健康被害や農作物への影響が懸念され、さらには生態系全体にも深刻なダメージを与える可能性があります。
不法投棄への罰則とその適用
「廃棄物処理法」では、不法投棄に対して厳しい罰則が定められています。
不法投棄を行った者には最大で懲役5年または罰金1,000万円が課せられる場合があります。
また、悪質なケースでは、個人だけでなく関連する法人にも罰金が適用されることがあります。
適切な処理方法と環境保護
管理型最終処分場での処理プロセス
鉱さいを適切に処理するためには、管理型最終処分場を利用することが一般的です。
管理型最終処分場は、土壌や地下水を保護しながら産業廃棄物を処分する施設で、有害物質を含まない鉱さいが主にここで処理されます。
具体的なプロセスとしては、まず排出された鉱さいが厳密に分類され、法律で定められた基準に従い管理型施設で埋立処理されます。
この処理方法は、環境負荷が少なく、安定的に廃棄物を管理するのに適しています。
遮断型最終処分場
有害物質を含む場合、鉱さいは遮断型最終処分場で処理する必要があります。
遮断型最終処分場は、漏洩を完全に防ぐ設計が施されており、鉱さいに含まれる重金属や六価クロムなどの有害物質から周囲の環境を保護するための仕組みが整っています。
遮断型の施設では、防水シートや遮水層が配置されており、鉱さいが地下水や土壌に影響を及ぼさないよう徹底的に管理されます。
この方法は、特別管理産業廃棄物として扱われる鉱さいにも対応可能で、環境保護を優先した処分形態の一つです。
リサイクル処理の進化
鉱さいのリサイクル率の向上は、資源循環型社会の実現において非常に重要です。
近年では、鉱さいを路盤材やセメント原料といった建築資材や工業用の素材として再利用する技術が進化しています。
特に高炉スラグは、耐久性や強度に優れているため、道路の路盤材として広く活用されています。
また、セメント製造においても、鉱さいの再利用は二酸化炭素排出量を削減する効果があるため、環境負荷の低減にも繋がっています。

リサイクルの成功事例
再利用と地域社会への利点
鉄鋼スラグは強度が高く、耐久性にも優れており、道路建設に利用されることで地盤を安定させる効果があります。
この再利用により天然資源の採掘量が減少し、環境負荷が低減するだけでなく、地域社会に新たなインフラ整備をもたらすメリットもあります。
アスファルトやコンクリートへの活用事例
鉱さいはアスファルトやコンクリートの骨材としても幅広く活用され、高炉スラグを使ったアスファルトは耐摩耗性が向上するという特徴があります。
また、セメントの原料としても利用されることで、セメント製造時の二酸化炭素排出量削減という環境的利点を生み出します。
農業や園芸用資材としての利用
鋼スラグ由来の肥料は土壌改良材として利用され、土壌の酸性度を調整するのに役立ちます。
さらに、必要なカルシウムやマグネシウムといった栄養素を供給する特徴もあり、作物の生育環境を向上させる効果があります。
海外における革新的なリサイクル
欧州諸国では、鉱さいを高精度で分離・精製し、有害物質を除去したうえで高純度の建設材料や金属資源として再利用する技術が導入されています。
また、オーストラリアでは、鉱さいから抽出した素材を新しい素材開発に利用するプロジェクトが進行中です。
愛媛県の産廃業許可は行政書士くにもと事務所
鉱さいの適切な処理と再利用は、廃棄物削減だけでなく、地域社会および地球規模の環境保全に貢献します。
例えば、鉱さいを資源として活用することで、新規資源の採掘を減らし、エネルギー消費を抑制することが可能です。
また、環境保護意識の高まりに伴い、リサイクル技術の進化が新たな産業の創出につながる可能性も秘めています。
このように、鉱さいに関連するエコ意識の向上は、未来の循環型社会の基盤を築く一歩となるでしょう。
愛媛県内の鉱さいの処理施設
愛媛県で鉱さいを処理できる主な施設は以下のとおりです。
- (株)長崎商事
松山市神次郎乙382番1外 - 藤岡建設(株)
西条市丹原町田野上方1097-1 - オオノ開發(株)
東温市河之内字大小屋乙628番1外 - (株)西田興産
大洲市上須戒丁594番外

特定行政書士 國本司
行政書士くにもと事務所
https://kunimoto-office-permits.com/
〒790-0062 愛媛県松山市南江戸3丁目10-15 池田ビル103号
TEL:089-994-5782
