建設業許可で要注意!「附帯工事」の意外な落とし穴
附帯工事とは、主たる工事を完成させるために必要な補助的な工事のことで、建築や土木工事の中で付随的に行われる作業が該当します。
附帯工事は主たる工事のクオリティや機能を補完し、プロジェクト全体の完成度を高める重要な役割を担っています。
例えば、建具工事が主たる工事である場合、その設置を支える補修工事や調整作業が附帯工事となります。
この記事でわかること

附帯工事とは?概念と役割
主たる工事との違い
主たる工事とは、建設プロジェクトにおける中心的な建設作業のことであり、附帯工事はこの主たる工事に関連して行われます。
両者の最も大きな違いは、工事そのものが建設業許可の対象となるかどうかにあります。
主たる工事は建設業許可の取得が必須となる場合が多い一方で、附帯工事が軽微な場合は許可不要なケースもあります。
附帯工事が必要となる場面
附帯工事にはさまざまな種類が存在します。具体的には以下のような種類や施工事例があります。
附帯工事の種類別具体例
- 外装や外壁塗装工事に必要な足場設置工事
- リフォーム工事における内装の解体工事
- 建築物の新築工事に伴う配管や電気配線の工事
- 機械設置や設計変更に伴う土台や基礎部分の補強工事
附帯工事で代表的な施工事例
- マンションやビルの大規模修繕における外壁補修と、それに伴う足場工事
- 住宅リフォームで、キッチンや浴室改修に関連する解体や給排水管の配管工事
- 商業施設の新規建設で、内装仕上げ工事に必要な天井や壁の骨組み設置
建設業許可における附帯工事の扱い
附帯工事そのものが軽微な場合、建設業許可は不要ですが、許可を受けた業種で認められた範囲内でのみ実施可能です。
附帯工事が他業種にまたがる内容であれば、該当する業種の許可を追加で取得する必要が生じる場合があります。
なぜ附帯工事が認められているのか
附帯工事が認められている理由は、建設業務の効率化や実際の施工上の必要性にあります。
主たる工事に附帯する作業は、全体の工期や品質管理を考慮した場合に同一業者が行うことが合理的です。
また、附帯工事を別業者に依頼すると管理コストが増加し、トラブルの原因になることも少なくありません。
そのため、建設業法では一定の範囲内で附帯工事を許可することで、施工業務の簡素化と法的な明確化を図っています。

附帯工事を請け負う際の条件
建設業許可を持たない事業者が附帯工事を請負う場合、以下のような事項に注意を払う必要があります。
許可が不要とされる場合
主たる工事が建設業許可を持つ事業者によって遂行されていることが大前提です。
その上で、附帯工事が主たる工事に付随して行われ、単独では独立した目的を持たない工事であることが条件となります。
例えば、内装工事に伴う電気配線工事や外壁補修工事に付随する足場設置作業などが挙げられます。
附帯工事の請負金額
附帯工事の金額が主たる工事を超えないことが前提となります。
例えば、主工事が1,000万円であれば附帯工事として請け負える金額はそれを超えない範囲である必要があります。
許可なしでも必要となる技術者
附帯工事において建設業許可が不要とされる場合でも、その施工を行う技術者に一定の要件が求められるケースがあります
- 国家資格を有する技術者が担当する工事
- 建設業法で定められた専門技術者要件を満たしている工事
- 技術的な問題が発生する可能性がある工事

許可業種別の附帯工事の注意点
建築一式工事と附帯工事の境界線
建築一式工事は、建物全体を組み立てる「プロジェクト全体」のような工事を指します。
一方、附帯工事はその主たる工事を補完する役割を持つ部分的な工事のことをいいます。
例えば、建築一式工事の中には、建物の基礎や構造体などが含まれますが、建具工事のような扉や窓の設置、外構の整備などは附帯工事に該当することが多いです。
一式工事として請け負える内容に附帯工事が含まれる場合もありますが、建設業許可の条件や範囲を正確に把握しておかないと、不適切な許可で契約を進めてしまうリスクがあり注意が必要です。
内装仕上げ工事業における附帯工事の誤認
内装仕上げ工事業では、天井材や床材、壁紙といった内装部分を仕上げる専門工事が行われます。
しかし、この範囲に含まれない工事内容が附帯工事として判断されるケースがある点に注意が必要です。
例えば、建具工事と内装仕上げ工事は混同されやすい部分があります。
建具の取り付けは内装と関連して見えるものの、建具工事業の許可を持つ業者が行うべき分野に該当します。
この点を誤認して他業種の許可で作業を行ってしまうと、建設業法違反とみなされる可能性があるため十分に注意が必要です。
解体工事業の附帯工事の具体例
解体工事業の場合、主たる作業は建物や構造物を解体することですが、場合によっては附帯工事が必要となります。
具体的な例としては、建物解体後の残置物の処分や、基礎部分の撤去工事が挙げられます。
解体工事が完了した後、土地を平地に戻すために行う整地作業も附帯工事に該当することがあります。
罰則規定と行政処分
建設業法に違反した場合、罰則規定に基づき、厳しい処分が科されることがあります。
無許可で工事を請け負った場合、300万円以下の罰金または3年以下の懲役に処せられる可能性があります。
また、行政処分として営業停止命令や許可の取り消しが科されることもあります。
附帯工事を含む工事全般において適切な許可を取得するとともに、国土交通省のガイドラインを確認し、確実に法律を遵守することが重要です。
トラブル回避のための附帯工事の進め方
附帯工事の契約書作成
附帯工事は主たる工事と一体として考えられる部分が多いため、契約書の中でどの範囲までが附帯工事に該当するかを具体的に明記するべきです。
また、工事の内容が汎用的な「内装仕上工事」や「建具工事」などに該当する場合、それぞれの業種に適した実施条件を記載することが求められます。
現場での附帯工事管理と記録
附帯工事の内容は小規模と見られることが多いですが、正確な管理がなされていないと建設業許可の範囲を超える作業を行ってしまう可能性もあります。
そのため、日々の作業記録や写真記録を徹底し、附帯工事が主たる工事の補完にどのように役立ったのかを具体的に示せる記録を残すことが重要です。
附帯工事の保証対応
附帯工事の一部が建具工事や内装仕上げ工事に関連する際には、それぞれの業種特有の保証条件を確認し、契約段階で保証期間や対応範囲を明文化することが求められます。
また、工事中のリスクヘッジ策として、責任保険加入や他業種との連携ルールの周知徹底を図ることが効果的です。

愛媛県の建設業許可は行政書士くにもと事務所
附帯工事に関する申請や実務で困難に直面した場合は、建設業許可を専門に取扱う行政書士に相談することをおすすめします。
特に、複数業種にまたがる工事や許可区分の異なる作業が絡む場合、誤った判断をすると無許可工事と見なされるリスクがあります。
そのため、事前に専門家のアドバイスを受け、許可範囲内で適切に工事を進めることが特に重要です。
適切な助言を受けることで他業種との連携ミスを回避し、工事を円滑に進めることが可能になります。

特定行政書士 國本司
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