産業廃棄物処理の流れ
産業廃棄物処理は収集運搬、中間処理、最終処分の3つの工程から成り立っており、環境に悪影響を与えない方法で処分されます。
1年間に発生する産業廃棄物のうち、最終処分の工程にかかるのは、年間発生量の5%程度にとどまっています。
産業廃棄物処理の流れ
産業廃棄物排出
【年間約3億9,000万トン発生】
収集運搬
【排出場所から適切な処分場へ運ぶ】
中間処理
【大きなものは小さく、有害なものは無害に】
収集運搬
【中間処理場から最終処分場へ運ぶ】
最終処分
【環境を配慮し土(自然界)に戻す】

収集・運搬の仕組み
産業廃棄物の処理の流れの第一段階は、収集・運搬です。
産業廃棄物を排出した事業者は、廃棄物処理法に基づき、適正に処理する義務を負っています。
自社で処理が難しい場合、許可を受けた収集運搬業者に委託し、適切な方法で運搬してもらうことが一般的です。
収集運搬業者は、廃棄物の種類や性質に応じた専用の車両や容器を使用し、飛散・流出を防止するための対策を講じます。
また、処理の過程を明確にするため、マニフェストと呼ばれる管理票を活用して、廃棄物の名称、数量、運搬業者名、処分業者名などの情報を記録することが求められます。
このように、収集運搬の段階から厳格な管理が行われることが、産業廃棄物処理の適正化に欠かせません。
処分業の種類と役割
収集運搬が完了した後、産業廃棄物は処分業者によって処理されます。
処分業には「中間処理」と「最終処分」の2種類が存在し、それぞれ異なる役割を担っています。
中間処理業者は、廃棄物をリサイクル可能な状態にするための分別や、焼却、脱水、中和といった処理を行います。
これにより廃棄物の量を減らし、資源の有効利用を促進します。
一方で、最終処分業者は、中間処理を終えた廃棄物を適切に管理し埋め立てる、または安全に保管する役割を果たします。
これらの業者は、廃棄物の特性ごとに適切な処理を確保するため、設備や技術の向上に努めています。
処分業の段階での対応が環境への影響を左右するため、大きな責任を持って業務が遂行されています。
中間処理と最終処分の具体例
中間処理と最終処分は、産業廃棄物の処理において重要な手続きです。
中間処理の具体例としては、汚泥の脱水や、廃プラスチックの破砕といった作業が挙げられます。
これらの処理により、廃棄物は再資源化しやすくなり、リサイクル率の向上に寄与します。
さらに、焼却処理を行うことで廃棄物を減量し、最終処分の負担を軽減することも可能です。
最終処分では埋立地を利用した方法が一般的です。
例えば、特別管理産業廃棄物のような毒性のある廃棄物は、遮断型埋立地で不透過シートなどを用いて環境への影響を防いで安全に処理されます。
中間処理と最終処分の適切な組み合わせにより、産業廃棄物処理の全体が円滑に機能しているのです。
法令・制度による安全確保
産業廃棄物処理の流れが適正に実施されるためには、法令や制度の整備が欠かせません。
廃棄物処理法をはじめとする関連法令では、排出事業者、収集運搬業者、中間処理業者、最終処分業者それぞれの役割と責任が明確に定められています。
また、不法投棄や不適正処理への罰則が設けられており、法律違反を未然に防ぐ仕組みが整っています。
廃棄物の適正管理を証明するために活用されるマニフェスト制度や、処理業者の許可基準が設けられていることも、産業廃棄物処理の安全性を高める要因です。
これらの法令や制度の運用を徹底することで、産業廃棄物処理の効率化と環境保護が実現されているといえるでしょう。
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