コラム

産業廃棄物の「廃油」の種類と具体的な処理方法

廃油とは、事業活動や製造過程、その他の作業中に使用された油や、不要となった油を指します。
典型的な例として、エンジンオイル、ギヤー油、切削油、または洗浄用作業から発生する油などがあります。

これらの油は本来の目的を果たした後、産業廃棄物として扱われ、適正な処理が必要です。

この記事でわかること

廃油の種類とその特徴

廃油は主に以下のような種類に分類されます。

鉱物油系廃油

鉱物性の廃油は、主に石油を原料として製造された油で、事業活動の中で使用され、廃油となるものです。
エンジンオイルやタービン油、油圧作動油などが含まれます。

動植物性油系廃油

植物性の廃油は、食用油や菜種油など、動植物由来の原料から作られた油が使用後に発生するものです。
食用油や環境配慮型潤滑油などがこれに該当します。

揮発性廃油

揮発性廃油は、灯油やガソリンといった揮発性の高い油が使用後に発生するものを指します。
これらは引火点が低く非常に燃えやすいため、特別管理産業廃棄物に該当するケースが多く、安全な取り扱いが求められます。

有害物質を含む廃油

有害物質を含む廃油には、PCB(ポリ塩化ビフェニル)や有機塩素化合物を含むものが該当します。
これらの廃油は環境や人体に対する毒性が高いため、厳格な管理が必要です。

廃油処理の主要な方法

廃油の処理方法として代表的なのが「焼却」、「蒸留」、「油水分離」の3つです。
また、廃油は正しく処理をすれば、再利用が可能な貴重な資源となります。

焼却

廃油を高温で燃焼させ、最終的にCO2などのガスに変える方法で、特に引火性が高い廃油の処理に用いられています。

蒸留

廃油を熱で分解し、再利用可能な成分を取り出す方法です。
これにより、燃料として再利用できることもあります。

油水分離

油分と水分を分ける処理法で、廃油の中に含まれる水分を効率的に取り除き、廃油を処理しやすい形にするために用いられます。

再生利用方法(リサイクル)

使用済みエンジンオイルや機械油はろ過や蒸留を通じて再処理され、燃料として再利用されることがあります。
また、有機溶剤の場合、蒸留装置を用いて再生することで、新たな溶剤として使用可能になります。

これらの処理方法は廃油の種類や性状に応じて使い分けられていますが、いずれも専門的な設備が必要で、技術面での注意点も多くあります。

廃油の性質と取り扱い注意点

廃油は、その種類や含有物によって性状が大きく異なります。
鉱物油系廃油は車両や機械から大量に排出され、揮発性の高いものも多いため、取り扱いには十分な注意が必要です。

特に引火性の高い廃油は火災の原因となる恐れがあるため、適切な保管と管理が求められます。
廃油取り扱いの基本ルールとして、排水口や土壌への流出を避け、専用の容器で管理することが重要です。

特別管理産業廃棄物としての廃油

廃油の中でも、引火点が70度未満の揮発油類や灯油類、またPCBを含む廃油は、特別管理産業廃棄物に分類されます。
これらは、一般的な産業廃棄物よりもさらに厳しい管理下で処理することが求められます。

特別管理産業廃棄物の取り扱いには、専門の処理業者への委託が必要であり、廃棄物処理法に基づくマニフェスト制度に従って適切な処理を実施しなければなりません。

不適切な保管や処分により事故が発生した場合、事業者のみならず経営者への重大な罰則が科される可能性があります。
これらの廃油が環境中に拡散すると、周辺住民の健康被害や環境破壊を引き起こすため、誤った処理方法については特に慎重に避ける必要があります。

廃油の保管・運搬時の注意点

廃油は、保管や運搬の段階でも適切な管理が求められます。

  • 貯蔵に際して規定量を超える場合は所定の設備を備える
  • 密閉された容器での保管
  • 容器には「産業廃棄物」や「廃油」など明確に表示
  • 運搬時に廃油が漏れたり飛散しない対策
  • 種類ごとに分けて管理する
  • 運搬中に廃油の状態が変化しないよう温度や振動に注意

家庭廃油と事業廃油の処理の違い

家庭で発生する廃油は主に食用油であり、比較的少量かつ限定的な成分が含まれています。
一方で、事業廃油はエンジンオイルや切削油、産業活動で使用される潤滑油などが含まれ、その成分は非常に多様で取り扱いが複雑です。

家庭廃油の場合、多くの自治体で回収やリサイクルプログラムが実施されていますが、事業廃油は産業廃棄物として扱われ、専門の処理業者への委託が原則です。

事業廃油は廃棄物処理法に則り、適切な方法で処理する義務があり、違反した場合には法的な罰則が科される可能性があります。

愛媛県の産廃業許可は行政書士くにもと事務所

廃油の適切な管理と処理を実現するためには、地域の自治体や許可を持つ専門業者との連携が不可欠です。
自治体は廃油の処理方法や規制に関する情報を提供してくれるため、それを参考にすることで管理体制を整えることができます。

廃油処理は許可を持つ専門業者へ依頼することが原則です。
産業廃棄物収集運搬業許可証や産業廃棄物処分業許可証を持つ業者の選定が求められます。

愛媛県内の廃油処理施設

愛媛県で廃油を処理できる主な施設は以下のとおりです。

  • 島田工業(株)
    松山市太山寺町乙251番8外
  • 浜田金属商事(株)
    今治市本町7丁目3番2号
  • (有)伊予開発
    伊予市森字ココ谷乙129番2外
  • (株)上田組
    喜多郡内子町福岡甲70番1
この記事の投稿者
特定行政書士 國本司

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