コラム

産業廃棄物の「ゴムくず」の特徴と分別ポイント

ゴムくずとは、事業活動に伴って生じるゴム製品の廃棄物を指し、主に天然ゴムを原料とした産業廃棄物として分類されます。
具体的には、裁断された切れ端や製造過程で発生する不要な部分などが含まれます。

このようなゴムくずは適切に分類・処理することが重要で、環境負荷を最小限に抑える取り組みが求められています。

ゴムくずは、さまざまな産業活動において発生し、自動車産業ではタイヤやゴムパーツの製造でくずが生じるほか、日用品や工業用部品の製造過程でも発生します。

また、医療や建設分野でもゴム製品が広く利用されており、そこからも廃棄物が出ています。これらの用途の多様性がゴムくずの種類や量の増加につながっています。

この記事でわかること

天然ゴムと合成ゴムの特徴と違い

天然ゴムの素材とその特性

天然ゴムは、ゴムノキの樹液であるラテックスから生成される自然由来の素材です。
柔軟性や弾力性に優れ、摩擦による耐久性も高いことから、さまざまな製品に使用されています。

特にタイヤやゴムチューブ、布テープの接着剤などの製造に欠かせない素材です。
天然ゴムは伸縮性が高く、人間の手や足にフィットするゴム手袋やゴム製の衣料にも適しています。

一方で、温度変化の影響を受けやすい点が特徴で、低温では硬化し、高温では溶けやすいといった特性があります。
天然ゴムの生産は主にタイ、インドネシア、マレーシアといった東南アジア諸国が中心で、海外に依存した資源でもあります。

合成ゴムの概要と石油化学の関係性

合成ゴムは、石油化学製品を基原料として人工的に作られたゴム素材です。
天然ゴムと異なり、安定した品質や特定の特性を目指して設計されるため、用途に応じた多様な製品が開発可能です。

製造過程では主にブテン、スチレン、ブタジエンといった化合物が用いられています。
合成ゴムは、耐熱性や耐寒性、耐薬品性に優れており、温度変化や化学薬品の影響を受けにくいことが特徴です。

そのため、自動車の部品や工業用ゴム製品、防水材料として活用されることが多く、コスト面でも石油価格の変動に影響されますが、一般的には天然ゴムよりも安価で入手しやすい素材です。

使用用途による天然ゴムと合成ゴムの選択

天然ゴムと合成ゴムは、それぞれの特性に合わせて適切な用途が選ばれています。

天然ゴムはその柔軟性や弾力性から、自動車用タイヤ、チューブ、ゴム手袋、輪ゴムなど、日常的な耐久性が要求される製品に適しています。

一方で、合成ゴムは高温や低温、化学薬品への耐性が求められる製品に使用されることが多く、自動車部品、工業用ホース、防音材、シーリング材などで広く活用されています。

経済性や環境面も考慮しながら、製品の用途や性能要件に応じた素材の選択が重要です。
また、処分方法やリサイクル可能性を視野に入れた素材選びも、産業廃棄物の削減に繋がります。

ゴムくずの処理とリサイクル

ゴムくずの処理には、主に焼却、埋立、リサイクルの3つの方法があります。
ゴムくずの処分方法の選択には、処理費用や環境への配慮が重要なポイントです。

焼却処理

焼却処理は、ごみを選別や破砕した後、高温で燃焼させることで体積を減少させる方法です。
しかし、ゴムくずは天然ゴムや合成ゴムで構成されるため、燃焼時に二酸化炭素や有害物質が発生する可能性があり、大気汚染を引き起こすリスクがあります。

埋立処理

埋立処理は不可燃物を含むゴムくずや、焼却後の残渣(ざんさ)を最終処分する方法として用いられます。
ただし、ゴムくずは分解されにくく、長期間土壌を占有するため、最終処分場の容量を圧迫し、さらには、埋め立て地から有害成分が漏出する可能性があります。

リサイクル

リサイクル処理では、ゴムくずを粉砕してチップや粉末状にし、燃料や道路の路盤材として使用する方法がよく利用されています。
特に、焼却灰をセメントの原料として再利用する取り組みが注目されています。

リサイクル率の現状と課題

現在、ゴムくずのリサイクル率は34%程度とされており、決して高い数字ではありません。
リサイクル可能なゴムくずの量は技術的な制約や経済的な要因により限定されます。
合成ゴムを含む廃棄物は、廃プラスチック類として別の処理が求められるため、処理方法が複雑化するケースがあります。

課題としては、リサイクルにかかるコストや、処理工程でのエネルギー消費量の多さがあります。
また、一部のゴムくずは化学的特性の違いにより再利用が困難であるため、新たな技術の導入が必要とされています。

分別の際に注意すべき素材の見極め方

ゴムくずを適切に処理するためには、まず素材の特徴を正確に見極めることが重要です。
天然ゴムと合成ゴムでは、分類と処分方法が異なります。

天然ゴム

天然ゴムを主原料とするものは「ゴムくず」に分類され、産業廃棄物として取り扱われます。

合成ゴム

合成ゴムを含む廃棄物、例えば廃タイヤなどは、廃プラスチック類として処理しなければなりません。

このような違いを理解しないまま処理を進めると、法律違反となるリスクがあります。
裁断くずや切断くずといった類似品も正確に識別することが必要です。

同じゴム素材でも、エボナイトやゴム手袋などの特徴を把握し、それぞれの処分方法に応じた分別を心掛けましょう。

愛媛県の産廃業許可は行政書士くにもと事務所

ゴムくず処理に関して、業界や自治体の取り組みも進んでいます。
一部の企業では、ゴムくずを原料にした製品の開発や、リサイクルプロセスの効率化に取り組んでいます。

使用済みタイヤを分解してリサイクルする技術や、ゴムチップを建材や防振材に活用する事例が挙げられます。
また、一部の自治体では、産業廃棄物としてのゴムくずの処理費用を支援し、適正な処分を促進する仕組みを導入しています。

こうした地方自治体レベルでの取り組みは、ゴムくずの環境への影響を軽減するだけでなく、地域全体のエコ活動の促進にも繋がると言えるでしょう。

愛媛県内のゴムくず処理施設

愛媛県でゴムくずを処理できる主な施設は以下のとおりです。

  • (株)松山バーク
    松山市西垣生町2892番地
  • 大正リメイク(株)
    新居浜市金子字則越丙54-20外
  • (有)伊予開発
    伊予市森字ココ谷乙129番2外
  • (有)二宮建設
    喜多郡内子町大瀬東2675番2外
この記事の投稿者
特定行政書士 國本司

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