コラム

建設業許可のしゅんせつ工事とは

しゅんせつ(浚渫)工事とは、河川や港湾、水路といった水域において、底に堆積した土砂や異物を取り除く工事を指し、水底の掘削が主な作業内容です。
この工事は、水路の安全性を確保するための土木工事の一種であり、特定の目的を持って行われます。

しゅんせつ工事は、交通や物流、環境保護の観点から水域の健全性を維持することに繋がります。
例えば、港湾や河川に土砂が堆積すると通行可能な深さが不足し、大型船舶の航行が困難になり、また、洪水の発生リスクも高まります。

代表的なしゅんせつ工法

一般的に使用される工法は、「グラブしゅんせつ工法」と「ポンプ工法」です。

グラブしゅんせつ工法は、クレーンに取り付けたバケットを用いて水底の土砂を掬い取る方法で、硬い地盤や大規模な掘削に適しています。

一方、ポンプ工法では、特殊なポンプを用いて土砂を水と一緒に吸い上げ、陸上や別の場所へ移動させるのが特徴です。
この方法は、軟らかい地盤での作業効率が高く、河川のしゅんせつ工事などで多く採用されています。

水中ロボットの利用

技術革新が進む中で、しゅんせつ工事にも最新技術が導入され、注目を集めているのが水中ロボットの利用です。
水中ロボットは、従来の人力や機械による作業が難しい深度や狭い範囲でも活躍できるほか、精密な掘削作業を可能にする点で大きなメリットがあります。

カメラやセンサーを搭載した水中ロボットは、作業現場の状況を詳細に把握し、リアルタイムで正確なデータを提供します。
このようなデータを活用することで、作業効率が向上し、コスト削減にも繋がります。
また、従業員の安全性が確保される点も大きな特徴です。

環境保護との両立

しゅんせつ工事は、河川や港湾の機能を維持する上で欠かせない作業ですが、工事が環境に与える影響も無視できません。
近年では、環境への配慮を強めた施工法が注目されています。

例えば、汚染物質を含む土砂の適切な処理や、工事中に発生する濁水の管理など、環境保全と事業運営の両立を目指した取り組みが進んでいます。
その役割を再考しながら、持続可能な社会の実現に向けてのアプローチを模索することが重要です。

船の大型化による需要拡大

現代では船の大型化が進み、それに伴い港湾の深さ確保の必要性が高まっており、しゅんせつ工事の需要は増加しています。
特に、大型クルーズ船や貨物船の寄港が多い主要な港湾では、効率的かつ規模の大きな工事が求められています。

このような需要に応えるためには、高度な技術力だけでなく、建設業許可を適切に取得した上で安定した施工体制を整え、公共工事や民間工事共に対応するため、業界全体で計画的な人材育成と資源の活用が求められています。

実務経験が免除される国家資格等

専任技術者要件の実務経験が免除される国家資格等のうち、代表的なものを一部ご紹介いたします。

  • 1級土木施工管理技士
  • 1級土木施工管理技士補
  • 2級土木施工管理技士補
  • 2級管工事施工管理技士補
  • 2級造園施工管理技士補 など

行政書士くにもと事務所
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