一式工事と専門工事の違い
建設業は、一式工事と専門工事という2つの大分類に分けられます。
一式工事は、建物全体や基盤全体をまとめて請け負う工事を指し、一方で、専門工事は、大工工事や配管工事など、特定の部分や作業に特化した工事を指します。
一式工事業者はプロジェクト全体を管理する役割を担い、専門工事業者がその一部を請け負う形で業務が進められることが一般的です。
この双方が連携することで、複雑な建設計画がスムーズに進行することに繋がります。

一式工事とは
一式工事とは、建築一式工事と土木一式工事の2つの業種に分類され、建設工事において複数の専門工事を総合的に企画・指導・調整しながら進める大規模な建設工事のことを指します。
そのため、工事全体を円滑に進めるために、計画段階からしっかりとした企画力や指導力が求められます。
例えば、設計者や専門工事業者、施主との協議を重ね、適切な工程やスケジュールを計画する必要があります。
また、元請業者として、工事全体の品質、安全性、法的要件の遵守などを統括する責任があるため、高度な管理能力が不可欠です。
このような役割は、一式工事が多くの専門工事を統合する特性を持つからこそ重要となります。
専門工事とは
専門工事とは、特定の分野に特化した建設工事のことで、建設業における27の業種に分類されます。
大工工事や内装仕上工事、電気工事、管工事などが該当します。
これらは個別に独立して行われる工事であり、一つの建築物を完成させるための要素的な作業を担います。
専門工事を行うには、その特定業種に応じた建設業許可を取得する必要があります。
また、500万円以上の工事を請け負う場合は許可が必須となります。
一式工事の許可だけでは不十分
一式工事の許可を取得しているからといって、すべての専門工事が行えるわけではありません。
建設業許可の制度では、一式工事は複数の専門工事を統合して実施する大規模工事を前提としていますが、特定の専門工事を500万円以上で請け負う場合、別途その専門工事に対応した建設業許可が必要です。
例えば、リフォーム工事を請負う場合、床面積の拡張工事は建築許可が必要なケースが多く「建築一式工事」に該当します。
しかし、独自に請け負おうとした際には、壁の張替え工事は「内装仕上工事」、水まわりの取替工事は「管工事」、壁や門扉の設置は「とび・土木工事」のように、その工事種別ごとの許可がないと業務を行うことができません。
この点をよく理解し、請負う建設工事に見合った許可を取得することが重要です。
行政書士くにもと事務所
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