建設業許可の解体工事とは
解体工事には、老朽化した建物の撤去、新たな建築物の建造に伴う設備撤去、さらには土地の整備を目的として行われる作業などが該当します。
解体工事業は「解体工事」を専門に扱う業種として平成28年6月の建設業法改正により、建設業の中で新たに29番目の業種に追加されました。
この改正により、一定条件下では解体工事を行う際に「建設業許可」が必要となりました。

建設業許可と解体工事業登録の違い
解体工事を行うためには「建設業許可」または「解体工事業登録」のどちらかが必要です。
しかし、両者には異なる目的と要件があります。
建設業許可は、請負金額500万円以上の工事を行う際に必要となり、この許可を取得することで全国規模での解体工事が可能になります。
一方、解体工事業登録は、請負金額が500万円未満の工事を地元の都道府県内で行う際に求められる制度です。
また、建設業許可を取得するには、経営管理責任者や専任技術者を配置する必要がありますが、解体工事業登録の場合は経営管理責任者は不要となります。
ただし、いずれの場合も専任技術者が必要であり、その実務経験の年数が異なります(登録には8年、許可では10年が必要)。
どちらを選ぶべきかは、請負金額や事業の規模、計画に応じて判断してください。
解体工事業の歴史と業界の動向
解体工事業が「建設業許可」の一部として正式に定義されたのは、平成28年6月1日の建設業法改正が契機でした。
それ以前は、「とび・土工・コンクリート工事業」といった許可があれば解体工事を行うことが可能でしたが、この改正により解体工事業が独立した業種として扱われるようになりました。
近年、建物の老朽化や耐震化の推進、さらには都市再開発による建て替え需要の増加により、解体工事業界は成長を続けています。
また、解体工事における廃棄物の適正処理や環境配慮の重要性が増しており、「建設リサイクル法」の遵守が求められるケースも増えています。
このように、解体工事業は今後も需要が高まり続ける一方で、法令遵守や技術の向上が求められる分野となっています。
環境配慮と廃棄物処理の基本
解体工事業では、廃棄物が大量に発生するため、適切な廃棄物処理を行うことが求められます。
「建設リサイクル法」に基づき、資源の有効利用と環境への負荷軽減を図ることも重要です。
具体的には、コンクリートや木材などの分別解体を徹底し、リサイクル可能な資材を適切に再利用することが推奨されています。
また、不適切な廃棄物処理や違法投棄は法令違反となり、厳しい罰則が科されることから、信頼できる廃棄物処理業者との連携を図り、環境配慮型の事業運営を目指しましょう。
実務経験が免除される国家資格等
専任技術者要件の実務経験が免除される国家資格等のうち、代表的なものを一部ご紹介いたします。
- 1級土木施工管理技士
- 1級土木施工管理技士補
- 2級土木施工管理技士
- 2級土木施工管理技士補
- 2級建築施工管理技士
- 2級造園施工管理技士 など